ついにある友人から言われました。
「〆きり前に“リラックスのせいでリラックスできねぇ!”って、もう言ったの?」
私も以前からこの雑誌に関わる編集さんやライターさんらが、どれくらいの割合でこれを言ってるか気になっていたところです。言おうとしてグッと言葉を飲み込んでいる方、それだけは絶対に言うまいと高い志を持って生きておられる方…様々でしょうが、私はあえて言わせていただきます。
「リラックスのせいでリラックスできねぇ!」
さて、このコラムも今月で4回目。初回は僭越ながら私のユニフォーム姿、そして2回目以降は何気ない表情で“胡口桂子 文・絵”とかいって、文のみならず絵まで描いておりますね。まるで“絵と文でやってる人”っぽく。もう少し騙していたかったのですが、もうダメです。書かないと私自身がリラックスできません。早くリラックスしたい。迷惑を承知でコクらせていただきます。
告白します。私は絵なんか全然描かない。いや正確には描かなかった。“自分で絵を描く”という概念がなかったのです。そこで、このコラムを始めるとき、私のまわりの絵を描く友人たちに
「イラスト、誰にたのんだらいいかねぇ」
と相談しました。いろんな名前が上がった中で、とても驚いたのは“自分”というものでした。自分て? 私のこと? 私が描くんですか? えーーーー!
「なんでもいいから、心を込めてデッサンする。なぜこのスペースにここまで細かいデッサンを…というくらい心を込めて描くんです」
稲妻が走りました。わ〜た〜し〜が〜で〜す〜か〜〜♪…私の中の世界3大テノールも高らかに歌い始めました。
それからのてん末は、ご覧の通りです。しかし本音をいいますと、毎月私はこの絵を描くのが本当に本当に心から嫌なのです。嫌で嫌でたまらないのです。
あまりに嫌なため、ひょうきんすぎる逃避をします。生まれた年から小・中・高・大学の標準的入学・卒業年度が一目で分かるサイトを発見したり、藤山直美さんの公式サイトを隅から隅まで通読したり、有志による市民オペラ団体のサイトを見つけて次回の公演と演目をチェックしたり。ここ数カ月のお気に入りブックマーク『辛いときに見るもの』フォルダの充実ぶりには目を見張るものがあります。
このことは、もちろん担当の湯澤編集も知っております。私があまりにも辛そうにしているため
「来月から誰かに頼む?」
とやさしい言葉をかけてくれたりしますが、甘えるわけにはいきません。
「いえ、私にやらせてください! やらせてくださいっ!」
繰り返し部分の“やらせてくださいっ!”はもちろん裏声です。悲しいファルセットです。こんなに嫌なのに
「やらせてくださいっ!」
海に出た船は次の港まで航海を続けるしかないのです。裏声で。
さて、もうお分かりですね。私が何を言いたいだけなのか。そうです、今月はこの2つ。
「リラックスのせいでリラックスできねえ!」
「私にやらせてくださいっ!」
言いたいがために背負う荷物の重みで、今にも私の背中は見たことない逆猫背になりそうです。とにかく、どこかのアンポンタンがここを見て“間違って”私にイラストを発注してくるまで魂ある限りデッサンを続けます。ああ、今夜もひょうきんすぎるサイトを発見してしまいそう。
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vol.4
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弟という字のフリガナが
“リモコン”だった日 (03.5.6発売6月号) |
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原文ver.
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vol.4(ボツ原稿)
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裏原で読まれるかもしれない裏腹なコラム……なんつてな!
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